会談当日(前半の部)


Youth委員会 高槻高校1年尾田 崇之さん
瓦木中学校3年高槻高校1年斉脇 翔さん
Youth委員会
高槻高校1年
尾田 崇之さん

左から石井市長、Youth委員会高槻高校1年尾田 崇之さん、瓦木中学校3年斉脇 翔さん、芦屋国際中等教育学校1年兼信 咲彩さん
実施日:2024年11月17日(日)
※学年は実施時点のもの
次世代の声を聴く 学生と市長が描く未来
将来を担う若者たちの真摯な声に、石井市長はどのように答え、
自らの気持ちを伝えるのか。熱い会談を繰り広げました。
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斉脇さん -
兼信さん -
尾田さん

斉脇さん
西宮は、PRポイントがたくさんあると思います。もっと西宮に引っ越してもらい人口を増やすために、どのようなPRを考えていますか。

石井市長
西宮市には、毎年約25000人の方たちが入ってきたり、出ていったりするんですね。会社の寮があったり、大学が多いので、学生も引っ越してきます。けれど、多くの方は数年しかいないため、本当の西宮の良さを知らないまま離れていってしまうんですよ。ですから、西宮市内の人に、西宮のいいところをもっと広く知ってもらいたいというのが、まずPRの一つのポイントです。もちろん西宮を知らない人たちへのPRも大切で、例えば、甲子園で行われる二十歳のつどいの特別感や、暮らしやすさにつながる各施策などのPRで魅力が伝わればと思っています。
斉脇さん
二十歳のつどいを甲子園で行うほかに西宮の特別感についての取り組みはされていますか。
石井市長
西宮の特別感というと、ハードの面では例えば夙川沿いの桜もありますね。景観や自然の潤いを意識しながら管理しているのは西宮ならではでないでしょうか。道路についても、通りやすいとか、うねうねした危ない道が少ないとか。治安がよくて安全だとか、景観が良いとか、そうしたまちづくりというところも、すごくこだわっています。
尾田さん
地域交流についてどのようなことを市として実際にしてきたのか、これからしていくのか教えてください。

石井市長
今は何でも便利になりましたが、地域のつながりがどんどんなくなってきました。そのため、市では、地域の人たちが趣味のサークルを開いたり、話し合ったりする場として公民館などを整備してきました。また、さまざまな団体の方々が地域交流につながる活動を一生懸命サポートしてくれています。最近では「子ども食堂」という子供から大人までが緩くつながる取り組みも生まれており、市では、今後もこのような地域交流につながるさまざまな活動を応援していきたいです。
尾田さん
僕も所属している西宮市のYouth委員会には、どのような効果や狙いがあるのでしょうか。
石井市長
一番の効果は、普段はあまり高校生の意見を聞く機会はないのですが、大人だと気づかない視点での提案をいただけるということではないでしょうか。狙いは、高校生の皆さん一人ひとりも生活者であり、委員会を通じてまちづくりに対する意見を言っていいんだと思ってもらえるようになることです。
兼信さん
LGBTQに対しての取り組みとか意識とかがあれば教えてください。

石井市長
2021(令和3)年4月から、西宮市は性の多様性に関する取組の方針というものに基づいて、パートナーシップ宣誓証明制度というものを始めました。制度の中身としては、どちらか、または双方が性的マイノリティのお二人がその宣誓をした場合、これまでは夫婦とか家族でないと市営住宅に住めないなどの決まりがありましたが、制度で認められると家族とみなされ住むことができます。市の職員に対しては、いろいろな家族の形を認め合う、そういう取り組みの研修も進めている状況です。
兼信さん
少子高齢化が進んでいると言われていますが、西宮市として一番気になっていることと、それに対する取り組みを教えてください。
石井市長
一番気になっている点は、生まれてくる子供の数が少なくなっていることなんですね。そのためにも、子供を産むことが大変だと思わせない社会を作ることが最も大切ではないかと、私は思っています。子供を産んで育てやすいまちであれば、他のまちからも安心して引っ越してきてくれるのではないでしょうか。
尾田さん
先ほどYouth委員会の話が出ましたが、若い人が政治に関心を持てるようにするためのアイデアはありますか。
石井市長
政治って、投票に行くとか、政治家さんを応援するとか、それは本当にごく一部です。政治というのは、みんなでいいまちを作りたい、できることをやりたいということなんです。より良い社会を自分たちで作っていこうという人たちが増えれば増えるほど、政治との関わり方は変わってくるのではないでしょうか。みんなが前向きな気持ちを持って、それぞれの可能な形でまちに関わっていけば、まちはさらに良くなっていくと思っています。
兼信さん
最近、不登校が増えていますよね。「あすなろ学級」とか、不登校への取り組みを教えてください。
石井市長
「あすなろ学級」は代表的な例ですが、それはいくつかある不登校対策の一つです。別のフリースクールが合う子もいるだろうし、そうであれば、条件が合えば「あすなろ学級」ではないところに行っても出席を認めるようにしています。また、最近「あすなろ学級」では、オンラインで学習できるようにもしていますね。ただ学校というのは、勉強するためだけに行くのではなく、自分とは違う考えの人もいながら、一人でできないことをみんなで助けあってやるという、社会性を身に付ける場所でもあります。ですから、行きたくなければ行かなくていいということではないと思います。
斉脇さん
最後に、これからの若い世代に期待することとか、取り組んでほしいことを教えてください。
石井市長
インターネットの時代だからこそ、リアルなコミュニケーションとか、実際にこうして会って話をすることなどを大切にしてほしいと思います。オンラインでの会議だと、温度感が違うんですよね。そういう意味でも、リアリティを大切にしてほしいと思います。皆さんはまだ投票の権利はありませんが、一人の生活をしている人間として声を上げて意見してくれる、これが若い世代の皆さんに対する期待ですね。
緊張感漂う中スタートした会談ですが、ユーモアを交えた市長の優しい言葉で学生の皆さんは徐々にリラックス。それぞれが事前に用意してきた質問はもちろん、予定外の質問や疑問も投げかけているうちに時間はあっという間に過ぎ、和やかな雰囲気で会談を終えることができました。西宮市の市長と直に言葉を交わした貴重な体験が、これからの学生生活に生かされるといいですね。